死の山モン・ヴァントゥを2度登る超ハードステージを制したのは脚質不明のワウト・ファンアールト この男極悪 [ツール・ド・フランス2021 ステージ11]


さてさて、ツール・ド・フランス2021、ステージ11(ETAPE 11)です。
欧州のプロレース大好き、新堀です。

ステージ解説:
きたきた。大注目のモン・ヴァントゥを2回登って下りきったらゴールというステージ。
4級、中間スプリント、4級と序盤終わったら始まっていく1級、1級、超級。
2つ目の1級と超級の2つが死の山モン・ヴァントゥ。クライマー&総合争いの勝負ポイントに。

 



07/07/2021 – Tour de France 2021 – Etape 11 – Sorgues / Malaucène (189,9 km) – Wout Van Aert (JUMBO – VISMA) Vainqueur de l’étape © A.S.O./Pauline Ballet

逃げ・・・が決まるかと思いきや決まらず。最初の4級へ突入する少し前からアラフィリップとキンタナの2名が抜け出し、その4級はアラフィリップが制す。
そのまま追走を振り切って中間スプリントもアラフィリップが1位通過。この逃げの仕掛け合いでポイントは稼ぎたい選手以外が獲得。スプリンター勢は意気消沈。
中間スプリント終わりでアラフィリップは追走5名と合流し先頭集団を形成。合流した追走組はフルサング、ダン・マーティン、パウレス、ジェスベール、ペレスと強力な5名。
すぐ始まるその次の4級はダン・マーティンとアラフィリップが先行しペレスが追いついて3名で勝負となったがアラフィリップがここも1位で通過。
アラフィリップを先頭に下りに入ると、ピエール・ローランが追いついて4名に。

1級のリギエール峠に先頭4名が差し掛かる中でメイン集団から追走集団が形成。
1級の山頂はダン・マーティンが1位通過。45秒程度の差で追走エリッソンド、モレマ、ファンアールトなど14名ほどがいる状況。メイン集団とは5分弱のタイム差。
次の1級扱いとなるモン・ヴァントゥの上りで先頭は追走集団が追いつきひとかたまりに。
そのまま進行するかと先頭は中腹で分断。脱落者もでてきて先頭は7名。アラフィリップ、ワウト・ファンアールト、エリッソンド、メウリッセ、ベルナール、ペレス、ダーブリッジ。ペレスとアラフィリップはほぼずーっと先頭集団。
モレマも追いついてきて一旦この1級扱いの1度目のモン・ヴァントゥは、アラフィリップが1位通過。一気に山岳ポイントを稼ぎました。
そしてここから下って、2度目のモン・ヴァントゥへ。今度は超級扱い&ポイント2倍なので、山岳賞が欲しい選手は上位で通過したいところ。しかもここから下ったところがゴールなのでねじ伏せたら相当有利。
2度目のモン・ヴァントゥの上り開始でトレックが3名も逃げにいるのでペーシング開始。ベルナールが引き倒すとエリッソンドが一人飛び出す。追いかけるのはワウト・ファンアールト、アラフィリップ、モレマ。モレマはチームメイトが先行しているため追わない。
ワウト・ファンアールトがエリッソンドに追いついて先頭へ。モレマもアラフィリップがいっぱいいっぱいであることを感じ取って先頭へ向かって加速。アラフィリップはここで脱落。山頂まで11.3kmほど。
残り6kmあたりで、さらにワウトは完全にエリッソンドを振り切って完全に単独走開始。アラフィリップはメイン集団に吸収される。
頂上まで約1km地点ところで、メイン集団のなかでログリッチの代わりにエースとなってるヴィンゲゴーがアタック。マイヨ・ブラン対決。ついていけたのはポガチャルのみ。が、そのポガチャルがまさかヴィンゲゴーに置いていかれるサプライズ。

超級モン・ヴァントゥはワウト・ファンアールトが1位通過。スプリンターとはなんなのか。
1分ほどあいてトレックの2人が追走。そしてアタックしたヴィンゲゴーがその2人に対して15秒差ほど。ポガチャルはそのヴィンゲゴーから30秒遅れて一度振り切ったカラパス、ウランに追いつかれる。
ワウト・ファンアールトは危なげなくそのまま下りきって単独フィニッシュ。素晴らしいアタックと素晴らしい逃げ切りでした。
ヴィンゲゴーは追いかけてきていたポガチャル、カラパス、ウランらに追いつかれて一緒でフィニッシュ。結局ポガチャルはタイムを失うことなく終えました。

Rank Rider Rider No. Team Times B P
1 WOUT VAN AERT 12 JUMBO – VISMA 05h 17′ 43” B : 18”
2 KENNY ELISSONDE 43 TREK – SEGAFREDO + 00h 01′ 14” B : 8”
3 BAUKE MOLLEMA 44 TREK – SEGAFREDO + 00h 01′ 14” B : 9”
4 TADEJ POGACAR 1 UAE TEAM EMIRATES + 00h 01′ 38”
5 RIGOBERTO URAN 111 EF EDUCATION – NIPPO + 00h 01′ 38”
6 RICHARD CARAPAZ 22 INEOS GRENADIERS + 00h 01′ 38”
7 JONAS VINGEGAARD 18 JUMBO – VISMA + 00h 01′ 38”
8 ALEXEY LUTSENKO 188 ASTANA – PREMIER TECH + 00h 01′ 56”
9 WILCO KELDERMAN 73 BORA – HANSGROHE + 00h 01′ 56”
10 ENRIC MAS 65 MOVISTAR TEAM + 00h 03′ 02”

 

個人総合成績 マイヨ・ジョーヌの結果:

ポガチャルがキープ。

Rank Rider Rider No. Team Times B P
1 TADEJ POGACAR 1 UAE TEAM EMIRATES 43h 44′ 38” B : 16”
2 RIGOBERTO URAN 111 EF EDUCATION – NIPPO + 00h 05′ 18”
3 JONAS VINGEGAARD 18 JUMBO – VISMA + 00h 05′ 32”
4 RICHARD CARAPAZ 22 INEOS GRENADIERS + 00h 05′ 33”
5 BEN O’CONNOR 124 AG2R CITROEN TEAM + 00h 05′ 58” B : 10”
6 WILCO KELDERMAN 73 BORA – HANSGROHE + 00h 06′ 16”
7 ALEXEY LUTSENKO 188 ASTANA – PREMIER TECH + 00h 06′ 30”
8 ENRIC MAS 65 MOVISTAR TEAM + 00h 07′ 11”
9 GUILLAUME MARTIN 91 COFIDIS + 00h 09′ 29”
10 PEIO BILBAO 162 BAHRAIN VICTORIOUS + 00h 10′ 28”

 

ポイント賞 マイヨ・ヴェールの結果:

カヴェンディッシュ維持のまま。特にアラフィリップがアタックすることでポイントに関係ない選手たちがポイント獲得に動けない展開にしたのは素晴らしい。

Rank Rider Rider No. Team Points P
1 MARK CAVENDISH 55 DECEUNINCK – QUICK – STEP 218 PTS
2 MICHAEL MATTHEWS 171 TEAM BIKEEXCHANGE 160 PTS
3 JASPER PHILIPSEN 105 ALPECIN – FENIX 142 PTS
4 SONNY COLBRELLI 163 BAHRAIN VICTORIOUS 138 PTS
5 JULIAN ALAPHILIPPE 51 DECEUNINCK – QUICK – STEP 119 PTS
6 NACER BOUHANNI 132 TEAM ARKEA – SAMSIC 117 PTS
7 TADEJ POGACAR 1 UAE TEAM EMIRATES 102 PTS
8 WOUT VAN AERT 12 JUMBO – VISMA 97 PTS
9 PETER SAGAN 71 BORA – HANSGROHE 95 PTS
10 MATEJ MOHORIC 165 BAHRAIN VICTORIOUS 62 PTS

 

山岳賞 マイヨ・ブラン・アポワ・ルージュの結果:

キンタナがキープ。
ワウト・ファンアールトが超級モン・ヴァントゥを獲得したので一気に2位へ躍進。

Rank Rider Rider No. Team Points P
1 NAIRO QUINTANA 136 TEAM ARKEA – SAMSIC 50 PTS
2 WOUT VAN AERT 12 JUMBO – VISMA 44 PTS
3 MICHAEL WOODS 37 ISRAEL START-UP NATION 42 PTS
4 WOUTER POELS 166 BAHRAIN VICTORIOUS 39 PTS
5 BAUKE MOLLEMA 44 TREK – SEGAFREDO 36 PTS
6 KENNY ELISSONDE 43 TREK – SEGAFREDO 27 PTS
7 TADEJ POGACAR 1 UAE TEAM EMIRATES 26 PTS
8 BEN O’CONNOR 124 AG2R CITROEN TEAM 24 PTS
9 SERGIO ANDRES HIGUITA 114 EF EDUCATION – NIPPO 22 PTS
10 JULIAN ALAPHILIPPE 51 DECEUNINCK – QUICK – STEP 20 PTS

 

新人賞 マイヨ・ブランの結果:

ポガチャルのまま。
が、初めてモン・ヴァントゥで遅れる姿が見えた。そのきっかけは2位のヴィンゲゴーのアタック。
これは今後が楽しみ。

Rank Rider Rider No. Team Times B P
1 TADEJ POGACAR 1 UAE TEAM EMIRATES 43h 44′ 38” B : 16”
2 JONAS VINGEGAARD 18 JUMBO – VISMA + 00h 05′ 32”
3 AURÉLIEN PARET PEINTRE 125 AG2R CITROEN TEAM + 00h 24′ 44”
4 DAVID GAUDU 81 GROUPAMA – FDJ + 00h 30′ 51”
5 SERGIO ANDRES HIGUITA 114 EF EDUCATION – NIPPO + 00h 54′ 41”
6 MARK DONOVAN 144 TEAM DSM + 01h 18′ 23”
7 VALENTIN MADOUAS 87 GROUPAMA – FDJ + 01h 24′ 57”
8 LUCAS HAMILTON 174 TEAM BIKEEXCHANGE + 01h 30′ 21”
9 JONAS RUTSCH 118 EF EDUCATION – NIPPO + 01h 30′ 51”
10 NEILSON POWLESS 117 EF EDUCATION – NIPPO + 01h 33′ 25”

 

余談:
ワウトの脚質は未だに意味不です。立ち乗りフィニッシュはかっこいい。
トニー・マルティンの切ない落車の雪辱も果たせたのは良かった。

 

(texted by 新堀 勝)